禁煙外来と聞くと、内科で受診するイメージをお持ちの方が多くいらっしゃるかと思いますが、喫煙と不妊にはとても深い関係があります。喫煙は妊娠前・妊娠中・出産後に様々な影響を及ぼす可能性がありますので、不妊症治療の一環として、禁煙外来の受診をお勧め致します。
喫煙による性ホルモンの失調や卵管機能不全から、不妊のリスクが2倍になります。将来的に妊娠を希望する女性は、初めから喫煙しないようにしましょう。
胎児だけでなく、母体の健康に大きな影響を及ぼすようなリスクが、非喫煙者に比べて2.5倍〜3倍に増えます。
流早産のリスクは1.25倍〜1.5倍、前期破水は2倍〜3倍、胎児発育不全は2倍に増加します。また、低出生体重児のリスクは1.5倍に増加し、平均200g〜250g少ないといわれています。
精神的不調は3.3倍、うつ病は2.1倍、パニック障害は3.1倍のリスクが高まります。その結果、子供の養育に悪影響を及ぼすことになります。
プロラクチンというホルモンは乳汁分泌の促進するホルモンですが、タバコに含まれるニコチンはプロラクチンの分泌を抑制してしまうため、喫煙にて乳汁分泌が低下します。
出生前後の母親の喫煙により、発症リスクが2倍〜5倍になることが知られています。さらに、両親がともに喫煙する場合のリスクは10倍になります。
妊婦の喫煙により胎児の呼吸器の成熟が遅れ、出生後の受動喫煙により免疫力が低下するため、気管支炎・肺炎のリスクが2倍、気管支喘息のリスクは1.5倍も高まります。
妊婦の喫煙は、胎児の遺伝子や器官形成細胞にダメージを与え、先天異常や小児ガンの発症リスクを増大させます。
この他にも、妊婦の喫煙は子どもの心身の発達に大きな影響を及ぼします。タバコは吸わないのが一番いいですが、せめて、妊娠を希望するようになったら禁煙し、遅くても妊娠が判明した段階で母親だけでなく父親も一緒に禁煙しましょう。
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